たとえばロープがあるとします。このロープを1本、2本と数えることは簡単です。ところが、1本の長さについては「長い短い」は言えても、数えることはできません。mやcmといった単位で区切って測定することではじめて長さは数になるのです。
長さや重さといった量(連続量と呼びます)を単位で測って得た数は人為的で、リンゴの個数のようにあらかじめ対象物に備わっていないものなのです。数を導き出す手順が複雑なぶん、子どもたちにはよりイメージしにくい数だと言えるでしょう。
また、連続量を単位で測るとたいてい半端がでます。その半端を、単位=1を十等分して測りなおした数が小数です。1を十等分するというアイデアは先人たちの創意工夫の賜物なのですが、数としてはますます複雑になり「見えにくく」なります。小数は学ぶことが難しい数だといわれますが、その理由はこんなところにもあるのです。